遺伝

遺伝

僕はいつも99%のことは努力次第でなんとでもできると思っているが、残念ながらどうしようもないことというものももちろんある。

そのひとつが遺伝だ。

僕らはみんな親の遺伝子を受け継いで生まれてくるが、その遺伝の影響というのは、思っているよりもずっと強い。

例えば、有名大学に合格する子どもたちの親の年収は平均よりも高いということはよく知られている。そして、年収が高いのだから教育にお金をかけることができ、その質の高い教育を受けた子どもは優秀になって当然だと言われたりする。しかし、実は単純に、高い収入を稼ぐことができる優秀な親の遺伝子を受け継いでいるから、その子どもは優秀だったりする。

逆に、親が妊娠中にタバコを吸っていると、子どもはその悪影響を受けて能力が低下したりするが、それもただ、妊娠中にタバコを吸うような判断能力の低い親だから、その子どもは能力が低い、知能が低い、といったことだったりする。

幼い頃からまったく違う環境で育った双子が、大人になった時に、知能、性格、体型、そして仕事から家族構成、ファッションまで似ていたという事例はたくさんある。

別々の環境で別々の教育を受けて育っても、同じ遺伝子を持っていたら、結局同じような大人になったりするのだ。

実は親の子育ての影響というのはそれほど大きくはない。

たとえば、知能については、IQテストにおいて遺伝子が50〜80%の影響を持っているとされている。また、性格についても、遺伝子が40〜60%の影響を持っているという研究結果がある。

つまり、子どもがどのように育てられようと、その子の知能や性格は、遺伝子によって大きく左右される可能性が高いのだ。もちろん、環境要因も一定程度の影響を与えることはあるが、それは遺伝子に比べると小さいとされている。

また、うつ病などの精神疾患や、犯罪率なども遺伝する。そしてそれは身長や体重などの目に見えることよりも、遺伝率は高いと言われている。

さらに、遺伝の影響は年齢を重ねるごとに強くなっていく。よく、大人になると親に似てきたと周りに言われたり(あるいは自分でもそう思ったり)することがあるかもしれないが、それは実はその通りなのだ。



では、子育てにはまったく意味がないのだろうか?

もちろんそれは違う。

例えば、子どもが健康的な食事を摂ることができる環境で育つことは、その子どもの身体的発達にとってとても重要だ。

そして子育ては、子どもが社会に出るまでの間、彼らが正しい道を歩むために必要な基礎を築くための重要な役割を果たす。

親が子どもに与える愛情や支援が、子どもの自尊心や自己効力感を高めることに繋がり、子どもが将来に向けて自信を持ち、成功するために必要な要素となるだろう。

親は子どもに偉そうに何かを教える立場ではない、子どもを応援する存在だ。

親は子どもの監督ではなく、サポーターなのだ。



遺伝の影響は強い。

どんなに努力をしても無理なことは無理だ。

とてつもない頭脳を持った天才には、勉強では何をしても敵わないだろう。

スポーツでも骨格などの遺伝の影響で勝負が決まってしまうということも少なくない。

だが僕は努力し続けることは重要だと思う。

自分に何ができて、何ができないのか、その可能性がどれくらいなのかを理解すること、そういったことを理解しようと努力することが重要なのだ。

無駄な努力をしないために、あらゆる努力をするのだ。

そして自分にできることの可能性を広げていく唯一の手段が習慣だ。

自分は太りやすい体質だから、自分はこういう性格だから、自分には才能がないから、と諦めるのは簡単だが少しでも自分の人生を良くしたいのなら、そのための習慣を身につけるしかない。

毎日毎日やるしかない。

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