「お前はただ運が良いだけ」
もちろんこれは僕自身に言っている。
逆に僕は僕以外の人間にそんなことは言わない。みんなそれなりに頑張っていることを知っているからだ。
しかし僕は僕自身には、「お前はただ運が良いだけ」と常に言い続けたい。
調子に乗るなよ、という意味ももちろんある。
僕は今ある程度色んなことがうまくいっている。
いや、生まれてからずっとそこそこうまくいっている。うまくいっているというよりは、楽しく人生を過ごせている。
もちろんうまくいかない時もあるが、それはそれで楽しい。
僕が自分で色んな行動をして、運を手繰り寄せている、というのも少なからずはあるだろう。
だが、よく考えてみると実際に僕は本当にただ運が良いだけだ。
20代の頃、仕事を辞めて海外へ行った時、全く英語が話せなくて、知り合いも1人もいなくて、本当にこれからどうなるんだろうと思っていたが、比較的すぐに日本人の人たちと知り合えて、そしてその人たちがビックリするくらい良い人たちで、現地での生活について色々教えてくれた。彼らがいなかったら一体僕はどうなっていたんだろうと思うが、彼らと出会ってしまい、そしてその後の海外生活も特に苦労することなく、うまくいってしまった。
起業した時も、スキルも経験も能力もお金も何もなかったが、本当に良い人たちと知り合えて、彼らが僕のために仕事を作ってくれたり、または、たまたま知り合った人が僕のような人材を探していたりして、1年目から普通に生活できるくらいの収入を得ることができてしまった。そして2年目からはある程度余裕を持って生活できるくらいになることができて、特に頑張って営業をしているわけでもないのに、これまでずっと仕事は増え続けている。
僕は特に何もしていない。もちろん毎日をそれなりに必死こいて生きてはいるが、他の人が僕と同じような状況で同じことをやっても、うまくいかないのではないかと思う。
少なくとも僕は、英語も全く話せないのに海外に行ったり、たいしてスキルもないのに起業したりすることは、絶対に他人にはおすすめしない。もちろん本人がどうしてもやりたいのなら、止めはしないが・・
「お前はただ運が良いだけ」
これは自分を戒める言葉であると同時に、感謝を忘れないための魔法のフレーズだ。
僕は自分の人生がこうして楽しく続いているのは、自分だけの力ではないことを知っている。
僕を支えてくれた人たち、与えられた環境、そして偶然の重なりがあったからこそ、今の僕があるのだと思う。
そして僕は気付いた。僕が今やるべきなのは、自分が運に恵まれた人間であることを理解し、その運を他の人にも分け与えることだ。幸運は循環する。
僕が受け取った恩恵を、少しでも他の人のために活用できれば、それがまた新たな運を呼び込むのではないだろうか。
アーノルド・シュワルツェネッガーも同じようなことを言っていた。
だからこそ、僕はこれからも「お前はただ運が良いだけ」と言い続けるだろう。
僕が今こうして楽しく生きられていること。それは偶然かもしれないし、必然かもしれない。どちらであっても、それは絶対に僕ひとりの力ではない。
僕を支えてくれたすべての人たちに感謝しながら、その恩を少しずつでも返していけるよう、これからも毎日必死こいて生きていこうと思う。