うまくいかない人間の特徴として、自分よりできる人間の言うことを聞かない、というものがある。
特に会社員の場合は、次の3つの理由からも基本的には上司の言うことを聞いておいたほうがよいだろう。
まず1つ目は、上司の方が自分よりも仕事ができて、スキルや経験もあるからだ。まともな会社ならおそらくそうだろう。
では、何か問題が起きた時、それを解決するためのアプローチとして、自分と上司のどちらの考えが正しいだろうか。
未熟な自分と、経験豊富な上司のどちらが正しい答えを出せる可能性が高いだろうか。
答えはもちろん上司だ。
うまくいかない人間は、なぜか自分のやり方で物事を解決しようとする。そうやって何度もうまくいかなかったから、自分がうまくいかない人間なのだということに気づいていない。
上司よりも仕事ができない自分がなぜわかった気になれるのか。
基本的には仕事のできる上司の方が、自分よりも正しい答えを出せる可能性は高い。なので、素直に上司の言うことを聞こう。
しかし、それでも自分の専門分野や自分のプロジェクトにおいては、自分のやり方の方が正しいと思う時があるかもしれない。だがそんな時でも2つ目の理由によって、上司の言うことを聞くべきだ。
2つ目の理由は、会社とは組織だからだ。会社には組織としての仕組みがあり、全員がその仕組みに沿って仕事をしている。上司が組織全体を把握し、経営者からの指示や会社の方針を実行する。その中で、上司には決定権があり、部下は上司に従うことが求められる。それが会社だ。部下が上司に逆らってもOKとしてしまっては会社という組織の意味がない。
もちろん、自分の意見を言うのはいい。その結果、上司がその意見を聞いてくれたのなら、それでいいだろう。
だが、自分の意見を伝えても、それでも上司に今回はこれでやってくれと言われたのならそうしなければならない、上司の指示に従おう。
そして3つ目は上司も人間だからだ。どういうことかというと、例えばあなたが上司にアドバイスを求めたとする。そしてあなたはそのアドバイス通りにやってみたがうまくいかなったとしよう。
ではその時、上司はどう思うか。おそらく自分の与えたアドバイスでうまくいかなかったのだから、上司はあなたのことをサポートしようと思うし、何とかしようとするだろう。(もしそういう上司でなかったら転職を考えた方が良いかもしれない)
上司というのは、自分のアドバイスでうまくいかなかった、とはしたくないものだ。
逆にあなたが上司のアドバイスを聞かず、自分のやり方でやっていたらどうだろうか。上司からすれば、なぜ俺のアドバイス通りにやらなかったんだ、となり、あなたをサポートしようとする気持ちは薄れてしまうかもしれない。
アドバイス通りにやれば、その結果が良くても悪くても、信頼につながるだろう。
逆にアドバイスを聞かないと、職場での信頼を失う原因にもなりうる。
当然上司も人間なので、その辺りも考えて行動した方が自分にとっても良いだろう。
以上の理由から基本的には上司の言うことを聞いた方が良い。
うまくできない自分を信じるのではなく、うまくできる人間のやり方を信じよう。そしてもしそのやり方に納得できなくても、とりあえずそれでやってみよう。たとえうまくいかなくても上司がなんとかしてくれるかもしれない。
それでももし、どうしても自分のやり方でやりたいと思うなら、方法は2つある。
1つは会社を辞めてフリーランスになること。自分でできるようになって、自由にやったらいい。
もう1つは、コイツの言うことなら聞いてやるか、と上司に思わせること。周りの人間を納得させることだ。
どちらにしても、それができるだけの実力をつけなければいけない。
それができないのなら、素直に上司の言うことを聞こう。