中学一年生くらいの頃だろうか。
友達数人と話していて、「小学生の頃は良かった」という話になった。
なぜなら、小学生の頃は特に何も考えずに生活していても問題はなかったが、中学生になると制服を着なければいけないし、中間テストや期末テスト、先輩後輩というものもあったり、色々と面倒ごとが増えるからだ。
そしてその時に僕は思った。
ダセえ・・・!
自分はなんてダサい会話をしているのだろう。まだ中学生だというのに、小学生の頃を振り返って「あの頃は良かった」だと・・?
もちろん一緒に会話をしていた周りの友達にはそんなことは思わない。自由に会話をすれば良い。
だが、そんなダサい会話をしている自分自身に僕はショックを受けた。
そこで僕は決めた。過去を振り返って、「あの頃は良かった」なんて思うのはやめようと。これからの人生で絶対にそんなことはもうしないと。
なので僕は過去を振り返って、あの時は良かったと感傷に浸る事はない。
人間は自分の過去を必ず美化してしまう。
自分が歩んできた人生を否定することなどできないので、どんなに過去が良くなかったとしてもその過去があったから今の自分があるんだ、なんだかんだであの時はあれで良かったんだと思うしかない。
なので過去を振り返っても過去を美化してあの時は良かったと思うだけ。
そんなことに意味はない。
もちろん過去の失敗を反省して次に生かす事は重要だが、あの時は良かったとただ懐かしむことに意味はない。
過去を振り返らない弊害としては、過去のことを思い出さないのでどんどん忘れていってしまうことだが、忘れてしまった事というのは特に重要ではない。
大事な事は覚えておかなければならないと思うかもしれないが、今覚えていることが大事なことなので、忘れてしまったという事は結局それは大事なことではなかったということだ。
サッカーの元ドイツ代表フランツ・ベッケンバウアーの「強いやつが勝つのではない、勝ったやつが強いのだ」と一緒だろう。
大事なことを覚えているのではなく、覚えていることが大事なことなのだ。